習慣化で複利を手に入れる


最近「習慣化」という言葉をやたら意識して生活しております。


というのも、30歳になって思うことは、もう30歳であるということ…
早いものだと思っているけど、きっと40歳、50歳…と年をとっても同じことを言っているのだと思います。


早いと感じても人に与えられた時間は皆同じで、等しく経過していきます。


ふとゲームをしたり、スマホでSNSを見てしまったときに、そうした何気ない習慣の積み上げで自分が5年後、10年後にどうなっているのか…ゲームをしたりスマホのSNSを見ることが果たして5年後、10年後のなりたい自分になるための行動なのだろうか…と考えてしまいます。


自分にとって良い習慣ではないとわかっていてもやってしまうことが、ありますよね。
少しくらいなら良いけれども、それが悪い習慣として毎日少しでも時間を奪っているのだとしたら、長い目で見ると膨大な時間を費やしていることになります。


もし、なりたい自分が明確ならば、そのために今するべきことに注力したほうが良いに決まっています。


当然、息抜きも大事です。その息抜きの方法が悪い習慣にならないように気を配る必要があります。


息抜きに「スマホのSNSを見よう…」とか、「タバコを吸おう」とか。
その場その瞬間においては、優れた息抜きなのかもしれませんが、長い目で見るとスマホ依存やニコチン中毒など…自分にとって好ましくない結果を招くようなことは避ける必要があります。


などなど…最近、日常の中での自分の時間の使い方を意識することで、悪い習慣を辞めて良い習慣を作ろうと奮闘しております。


というのも、最近、ジェームズ・クリアー著の「複利で伸びる1つの習慣」を読みました。
これまた良い本を買えたなって思う本です。



この本は、そんじょそこらの自己啓発本とは一線を画しており、読んだその日から自分の中の意識が変わり、行動も変わります。


私は、この本のおかげで「早起き」を習慣化しました。


実際に早起きのメリットを享受しています。


早起きについては、過去に何度か試みたことがあったけど、そのときは習慣化しませんでした。
しかし今は、早起きがもう3週間継続できています。


早起きに関わらず、やりたいこと、やりたかったことを習慣化したいと思っている方は、本書を読んで損はないです。具体的な行動方法を自分で考えられるようになります。


今回は、この本について、私なりの感想と私が実践したことを紹介できればと思います。


習慣化で得られる結果は時間がかかることを理解する


どういうことなのか。
例えば、筋トレをイメージしてみてください。


ある日、ダイエットすることを目的に筋トレを始めたとします。
そして1週間欠かさず筋トレできたとします。


しかし、1週間継続しても体重は一向に変わらない…
ましてや体重は増えてしまった。
これでは目的達成のためにやっている筋トレのモチベーションが上がらない…1週間やったけど辞めてしまった…


よくある話かもしれませんね。
筋トレは、始めても3カ月くらいたたないと目に見える形で結果が表れてきません。


1週間も継続できれば、もう習慣化し始めているとは思います。
しかし習慣化の結果(目的を達成できたかどうか)は、わかるまでにそれなりの年月を要します。


一朝一夕で達成できる目的であれば、習慣化する必要もないですからね。
その場その場で必要な時にやればいいわけですから…


さて、例のとおり、習慣化によって成し遂げたいことを成し遂げるには、時間がかかることがわかりました。
そして、それゆえに挫折してしまうこともなんとなくわかってもらえたと思います。


まずは、このことを理解することがとても大切であると思っています。

「どのような人になる」のかを考える


本著を読んで一番衝撃を受けたのは、「どのような人になるのか」を考えるということ。
そうすることで、その習慣を行うことが、アイデンティティに基づいた行動になるという…


何かを習慣化させたいときに、その行動そのものやそれによって得られる結果に目を向けて結果に向けて行動を習慣化させることも勿論可能なのだが、先にも触れたように結果に目を向けると、それが得られるまでに時間がかかるため習慣化が難しく感じることもある。


そんなときにおすすめの方法が、この「どのような人になるのか」です。


また筋トレの話になってしまい恐縮なのですが、例えば最近ジムに行き始めた人がいるとします。


その人は、ダイエットを目的にし、「3カ月で5kg痩せる!」と目標を立てました。
しかし、2カ月経ってやっと1kg痩せられましたが、目標までは遠く、このままやっても達成できないことから、ジムに行く頻度が少なくなってしまいました。


そしてしばらくすると、ジムには一切いかなくなってしまいましたとさ…


この例の人の目標や目的は問題ありません。
よくある設定で、良い設定であると思います。


しかし、このように習慣化によって得られるであろう結果ばかりに目が向いてしまうと、その日その日の行動からは結果がわかりにくいものです。


ではどうしたらよいのか。
この人は、「私は健康的な人間である」と思うことにすると良いのです。


そうすることで、ジムに行くことをさぼってしまいそうになったときに「私は健康的な人間なのに、今日意味もなくジムを休むの?」という自分自身のアイデンティティを否定するような状態に自分を追い込むのです。


【ジムに行く】
→ジムに行くことは健康的な人がやっていること


このように習慣化によってやる行動をすることは、「どういう人なのか」を考え、それを自身に当てはめるのです。


目的達成のために「ジムに行く」、それに追加して、私は健康的な人間だから「ジムに行く」と思えることでより習慣化しやすくなります。


そして実際にジムに行くことで、アイデンティティの形成が確固たるものとなり、習慣化が定着していくというのです。


私の場合、早起きを習慣化させるときにもこの方法を使いました。


早起きは世界の名だたる企業のCEOといった凄腕の人たちが行っている習慣なので、「私は頭の良いできる人間なので早起きする人である」と思うようにしました。こうして書いてみるとちょっと恥ずかしいですが、結構真面目にそう思うようにしました。


そうしてみると、朝5時にアラームが鳴った時に割とスパッと起きることができました。


ときどき、「眠い…あと5分だけ…」となるときもありますが、そうなったときにこの方法が効いてきます。
「お前はできる人間なのに、2度寝してしまうのか。それはできない人間なのではないか?」みたいなことが頭によぎります。



頭によぎってしまえば、それを否定することは今まで気づき上げてきた「私は早起きする人である」というアイデンティティを否定することになります。


そうなってしまえば、そうはさせまいぞと身体が起きることを受け入れます。


そうして私は早起きを習慣化させました。


習慣化によって認知的な負荷が減る


この本を読んで衝撃を受けたのは、この「習慣化によって認知的な負荷が減る」ということです。


最初はなんのことやらさっぱりイメージできなかったのですが、本書を読み進めていくとなるほど、その通りだと思い舌を巻いてしまいました。


さて、どういうことなのか。


そもそも「習慣」というのは、自動的に日々行われる行動です。
したがって、それをする時には、あまり頭を使わなくても、身体が自然とその行動をします。


新しいことを習慣化させるとき、それは新しいことであるが故に、一つ一つの行動に頭を使って決断を下します。


例えば、筋トレを習慣化させようとしている人が、筋トレを始めたばかりなので、「何を持っていったらよいのか」、「いつ行ったらよいのか」、「ストレッチは何をしよう」、「どこを鍛えよう…」など様々なことを考えなければなりません。


これが習慣化されている場合、その日必要な道具を事前に用意したり、筋トレに行く時間はいつも同じ午前6時であったり、ストレッチはその日鍛える部位に必要なストレッチをしたりと、深く考えたり調べたりする必要なくほとんど自動に近い状態で始めることができるようになります。


一見あれこれ考えることは良いことのように思えるのですが、それには脳に負荷がかかります。


あれこれ毎回考えて行動することは、良いことなのかもしれませんが、それだけで脳は疲れてしまいます。
そうしないために、人間の脳は、自身の意思決定の結果をフィードバックして、経験として蓄積しています。


習慣化とは、最適な解決方法を自動で選択すると言えます。


この自動的な処理によって、脳の負荷は減ります。
そして、脳の負荷が減ることによって、その他の新しいことに注意を向けられるようになると言うのです。


習慣化は、何もかもルーチンワークにしてしまって頭を使っていないのではと思われてしまうかもしれませんが、その実、新しいことや集中したいことに意識を向ける余力を確保しているとも言えるのです。


私は、それを知ってハッとしました。
習慣化することで、更に新しいことにチャレンジするための脳の余力ができると…


やりたいこと、成し遂げたいことがたくさんある中で、あれこれ摘まみ食いのような要領で手を出すのではなく、一つずつ習慣化させて、いくことが大事であると感じたのです。




この本は、今後も必要な時にまた読み返したいと思いました。
皆さんもぜひ読んでみてください。