私は現在29歳。
大学を卒業して1年間無職を経験して、公務員(地方公務員)となりそこで5年間働き、今はWEBアプリケーションのエンジニアとして働いています。
一般的には、公務員として勤務し続ければ、安定した収入を得られて、安定した暮らしが送れることがほぼ約束されていたのですが、自ら退職に踏み切りました。
20代後半にして、公務員として日々仕事をする中で、私は何がしたくて公務員になったのかを振り返ることが多くなり、今挑戦したいことは何なのかを考えて、結果導き出したのがエンジニアという仕事だったというのが、退職して転職したという大まかな経緯です。
公務員は終身雇用なので、途中で退職する人なんて少ないと思いますが、今のご時世辞めたいという思う人も多いのかなと思います。
辞めたいけど、踏ん切りがつかない人や、悩んでいる人のお役に立てればと思い、私がどうして公務員を辞めてエンジニアになったのかをお話ししたいと思います。
目次
なぜ公務員を辞めたのか
それにはいくつか理由があります。
理由1 やりたいことが見つかった

そもそも公務員になった理由を振り返ると、「世間体がいいから」とか「親が安心するから」とか、「とりあえず」といったものでした。
完全受け身な理由で公務員になったのです。
そういった人、公務員には多いと思うし、それはそれで十分な理由だと思いますが、私は私という人間をよくわかっていなかったのです。
ちなみに私は、大学4年生の就職活動に失敗しております。
大学4年生の秋頃、「私みたいな人間を雇う企業さんはないかなあ~」と自虐的になり始めていた時期に受けた企業さんの面接で、所謂圧迫面接を受けました。
メンタルが弱っている人間にとどめを刺すには十分すぎるそれでした。「何で生きてるの?」、「何がしたくとこれまでの時間すごしてきたの?君には何もないように聞こえるよ」みたいなことを言われました。書き起こすのも恐ろしいトラウマレベルの面接でした。
その圧迫面接のおかげさまで、見事に就職活動がストップしました。
そしてそのまま大学は卒業、新卒カードを溝に捨てるまでに至りました。
友人たちは大手企業や国家公務員として働いているのに…と劣等感を感じずにはいられませんでした。
本当につらかったなあ…
そんななか両親は「30歳くらいまではゆっくり決めたらいいんじゃない」と言ってくれました。
この言葉には当時かなり救われました。それと同時に両親には申し訳ない気持ちがいっぱいでした。
そして、それはその後早くこの状況を早く抜け出したいという焦りに変わっていきました。
焦ってなんとか仕事をしなければと、大学卒業後の1年目になんとか公務員試験がまだ間に合うということに気が付き、勉強を始めてなんとか受験しました。
筆記試験はダメかと思いましたがなんとかギリギリ合格、面接も地元ということですんなりパス。今どき地元だからってことで採用はないと思いたいけど、きっと大きな要因だったと思います。
それから5年間、特に何も考えずに真面目に仕事をしてきました。
そんななかある日ふと、仕事で使用するシステム、日々使っていたWEBアプリなどを自分でも作ってみたいと思いました。
ふと、というよりかは、仕事にある程度慣れや余裕ができたことによって、色々なことを考えることができたのだと今は思います。
そうした余裕から、色々なことに挑戦したい気持ちが芽生えてきました。
そしてプログラミングをやってみたいと思い、業務の効率化と称してExcel VBAを用いて自動処理などを自分で作ったりしたのですが、それがとても楽しかったのです。
心の余裕や時間の余裕ができたことで、私がやりたいことは何だろうと考えることが多くなり、色々試行錯誤するようになりました。英会話を始めたり、フィットネスを始めたりと…
そうしているうちに、私がやりたい仕事は公務員でなないのではないか?と思うようになり、日に日に自分のやりたいことが明確になってきたのでした。そしてエンジニアになりたいぞ…と。
理由2 もっと挑戦したい
知っている人も多いと思いますが、公務員(地方公務員)はだいたい3年で部署異動します。
それも畑違いの部署に、なんてこともあります。
官公庁と民間企業との公平な関係性を保つなんてことから異動させられるわけですが、そうなると今やっている仕事に役立つ知識や技術を積み上げていこうって気持ちにはなりません。
たまたま、やりたいと思えた仕事でも、3年後には異動させられてしまいます。同じ職場内で自分の意図とは関係なしに転職させられているような感じです。
私も例外なく、3年で畑違いの部署に異動させられました。
新しい部署で仕事をする中で、前の部署の知識も当然薄れていきます。
5年目には、もう前の部署の仕事内容を忘れかけていました。
3年で異動なので、仕事にやっと慣れてきたかなという段階で異動といった感じでした。
正直モチベーションは下がります。
しかし、今振り返ってみるとなぜ3年異動なのかがよくわかります。
これは、人材を流出させないためだということです。
3年で異動させて、新しい仕事を覚えることで忙殺する。
そうすることで転職する隙を与えないようにしているに思います。
公務員の仕事は民間企業では役に立たないと言われています。
私自身も、いままで公務員で得た知識やスキルは民間企業で本当に役に立つのか不安でした。
公務員の友人や先輩の中でも、辞めたいけど辞められないと言っている人はその理由として、「活かせる経験や知識がない。だから辞められない。」と言っていました。
完全に飼いならされてしまった結果です。
当然モチベーションは低い職場でした。
モチベーションが高い人はかなり少なかったです。
異動のそれも理由にはなると思いますが、さらにモチベーションを下げる要因があります。
それは頑張っても頑張らなくても一緒だという公務員の仕組みです。
頑張りが全くと言ってよいほど評価されません。
目に余るサボタージュをする人も一定数おりますし、かといってその人が減給になることもなく。
頑張って仕事をこなすと、仕事ができるヤツとして認識されて仕事は増えるけれども給料は増えません。
なるべく普通、または普通以下でいることがそこでは賢い働き方なのだと思います。
そうしているうちに、モチベーションも下がります。スキルもなかなか身に付きませんでした。
私はもっと仕事の中で色々挑戦していきたいのにも関わらず、公務員ではそれは異端となってしまうのです。
私が公務員を改革するぞ、という気持ちにもなれず、もっと挑戦できる場へと自ら赴くのが吉だと考えたのでした。
理由3 素直に向いていないと思った

公務員は、台風、地震などといった災害時には率先して仕事をしなければなりません。国民の税金が給与ですから、当然です。
大切な家族よりも、仕事を優先しなければなりません。
これについて、正直、私にそんな覚悟はありませんでした。
家族が大切だし、自分の命だって大切にしたい。
災害時に、身を粉にして働く人がいるから救われる命があるということも十分分かります。ですが、私には覚悟がありませんでした。
地方公務員になった理由を先にも挙げましたが、受け身な姿勢でした。
そんな私に地方公務員が向いてないと思いました。
理由4 副業したかった
公務員の副業は、基本アウトです。
農業とかは良かったのかな…
副業をしてしまったら、本業を失うなんてことにもなりかねます。
新しいことを始めてそれでお金をもらうことが許されない、すると挑戦なんて専らしなくなります。
本来の仕事は、全体の奉仕者としての仕事ですから、副業にうつつを抜かしていてはいけません。
年功序列がいまだに存在する世界ですので、長く続けてこその公務員なんですよね。
いつになったら、満足のいく給料がもらえるのだ…私としては今体力のあるうちに色々挑戦したかったのです。
新しいことにどんどん挑戦して、知識や技術をどんどん使ってお金を稼ぎたい。
ただ時間が過ぎることを願いながらだらだら仕事をすることが耐えられませんでした。
公務員をやめたい方へ
公務員を辞めたいと思ったとき、まわりに相談できる相手がいませんでした。
本当に、自分の選択が正しいのか、ひょっとしたら間違っているのか。
こればっかりは、自分の選択の結果が出て初めて分かることだと思います。
ですが、失敗してもそれが自分の選択である以上、潔い後悔になると思います。
何か自分の考えがあって、それを抑え込んで、あの時やればよかったと後悔するより、やって後悔することの方が大きな意味があります。
私自身も今後エンジニアとしてうまくやっていけるのかわかりません。
わかるのには、まだ時間が掛かります。
でも、悩んでいた理由を振り返ってみると、自分の選択が正しかったと思っています。 私は公務員を辞めてよかったと思っています。
まずは、自分が何に悩んでいるのかを深堀してみてください。
そうすれば、見えてくることもあると思います。