毎晩寝る前に30分は本を読むようにしております。
それでもって最近読了した本、それが谷川祐基さん著書の「賢さをつくる」。
どでかいタイトルと、その言葉のインパクトにやられました。
私は、どうにも他人から賢く見られたい欲望があるようですね。
みっともないかもですが、そうした欲望が私を突き動かすのです…
この手の本は、いわゆる自己啓発…なんて言われる部類に入るのかもしれません。
しかし、読んでみてすぐに、これまでに読んできた自己啓発本とは一線を画するものがあるとわかりました。
どういうことなのか…
それは自己啓発にしては、あまりに具体的で
読了後から自分がどのように行動すれば(考えれば)賢くなるのかがはっきりします。
頭を鈍器で殴られるじゃないですが、読了後それほどまでに衝撃を覚えました。
こんな本ってなかなかないですよ…
というわけで、今日はこの「賢さをつくる」をオススメしていこうと思います。
目次
著者がとても優秀
結局著者がすごいからじゃん!
そうです。すごい人でした。
谷川氏は高校3年の秋から受験勉強を始め、一度も塾に行かず、予備校に通うこともなく、東大に現役合格した。それまでにも、小学校から中学までずっと学年トップの成績をキープし、高校も愛知県の公立高校では最難関とされる旭丘高校に進学している。
ニューズウィーク日本版「テスト問題を予想さえすれば、誰でも東大に合格できる?」
私の年代だと、頭いい子は塾に通っていましたから、谷川さんみたいに塾行かずに最難関高校に進学、そして東大に現役合格しているってそれだけで只者じゃないことがわかりました。
それで最難関言ってるけど旭丘高校って偏差値いくつよ?(そいういうの好きなのでつい…)
72でした。
正規分布表の右端にいる人たちじゃないですか。
70超えてるともう異世界の人だと思ってしまいますよ…
すごいできるヤツが、「賢さはつくれますよ」って言っている…
それはあなたが賢いからでしょって言いたいですが、そんな簡単に言うなら教えてみなさいよって気持ちで、私は寧ろ読んでみたい気持ちが込み上げてきました。
このような人が、どのように物事を考えているのかが垣間見えるかもしれないと思うと、わくわくしませんか?私はします。
具体化と抽象化を往復する

この本は一貫して、「具体化」と「抽象化」をいったり来たりできること、そのスピードや往復の幅が広いことが賢さであることを述べています。
詳しいことは、ぜひ本を読んでもらいたいのでざっくり説明します。
例えば私はよく上司から「〇〇社さんへ製品のデモを実演するから、準備をよろしくね」ということを言われます。
とても曖昧ですよね。この曖昧な情報を、具体化と抽象化して思考を広げます。
まずは具体化。
この本では5W1Hが具体化の方法として、非常に有効であることを述べています。
小学校で教えてもらう5W1Hです。知ってはいるものの意識して使うことってないですよね。
いつ?when
デモの実演日はいつか。〇〇社さんはいつ弊社の製品を導入したいのか。
どこで?where
デモはZoomでやるのか。それとも面と向かって行うものなのか。
誰が?who
〇〇社さんのどの部署の人たちが製品を必要としているのか。
何を?what
弊社製品のどの機能を使いたいのか。
どのように?how
予め〇〇社さんが使いたい機能をメインで紹介するのか。
この本には、5W1Hのうち4W1Hは考えを具体化する方法だと言っています。
確かに言われてみると、これらの問いかけに応えていくと、具体的な数値なり対象が明確になります。
そして抽象化。
残りの1Wであるwhy。「なぜ」ですね。
なぜ?why
なぜお客さんはデモを必要としているのか。
→製品の概要は掴んでいるけど、使用感を把握したい?
→他者製品の差異が資料からではわからない?
なぜは、視点によっていくつか問いが立てられますね。
「なぜ」という問いによって、デモを準備するにあたって、そもそもお客様が望んでいることやデモに至る背景を考えることになります。
「望んでいること」、「背景」となり抽象度が増したことがわかります。
この「なぜ」は繰り返すごとに、抽象化されていきます。
「なぜ使用感を把握したいのか」、「そもそもなぜ弊社製品が必要なのか」などなど
5W1Hを繰り返していくことで、具体化、抽象化が行われてどんどん思考の幅が広がります。
著者はこの思考の幅と、これらが早く展開されることが、所謂「賢さ」であると言っています。
なるほど、そういわれると、これらが平然と行われたとき、賢いと思ってしまします。
できる子は問題出題の意図を把握する
著者は、抽象化する上で「なぜ」という問いかけは、非常に強力であると言っています。
それを一度いっただけで、物事の本質に近づいてしまいますからね…
この思考を広げる手段としての「なぜ」。
言い換えれば抽象化する力は、勉強ができる子は皆やっているようです。
この著書にも書いてあるのですが、できる子は問題出題の意図を把握して効率よく勉強するのだそうです。
著者自身がそうだったのだとか。
出題の意図を把握するとはどういうことか。
問題集でその問題がなぜ出題されるのかを考えるということです。
例えば、英語の文法問題が出たとします。
その問題の文章は、「過去分詞の構造を理解しているかどうか」を確認するために出題されていると考えるのです。
したがって、過去分詞の構造をしっかり勉強すれば、過去分詞の理解ができているかという意図の問題には対応できるようになるのです。
あてずっぽうに過去分詞の文例をいくつも丸暗記するのではなく、その問題の意図を把握して押さえておくべきポイントを押さえるということです。ああ、高校生の時丸暗記ばっかりしていたなああ(涙
なるほどです。
暗記するにしても人間限界がありますからね。
ある程度暗記は必要だけれども、出題意図を押さえて必要なことだけ覚えるということですね。
今だから、まあそうだよねっと思えるけど…
確かに、学校のテストって「〇〇が理解できているかどうか」という視点でつくられていますよね。
学校の先生は、生徒を評価しなければならないから、その評価尺度として、教科の単元の理解度を確認するのですよね。
言ってしまえば、先生の意図をどれだけ酌むことができるかって、効率の良い勉強につながるということです。
それは受験勉強でも同じで、過去問を見て傾向が見えてくるというのは、出題者の意図を酌むということです。
私は勉強の仕方、教えてもらえなかったけど、今なら教えられる!
そう、効率の良い勉強方法とは、出題者の意図を考えることです。
大人になった今からでも、賢くなれる
著者は、具体化と抽象化をバランスよくできる人はなかなかいないと言っております。
両方がバランスよくできる人が所謂賢い人ですから、これができるようになるっていうのは賢くなるということですね。
多くの人は、どっちかに偏ってしまうのだとか…
だから、具体化と抽象化を意識して物事を思考するようになれば、大人になってしまった私でも遅くはないのです。
そう、皆やっていないだけで、やれば誰でも賢くなれるのです。
私は、というより多くの人は学校で、勉強はするけど、賢くなる方法は教えてもらっていませんよね。
ですからこの本は、多くの人が読むべきだと思っています。
私は読了後、さっそくこれを活かしています。
具体化と抽象化を意識して、資格勉強などに取り組めで、その効果を実感しております。
私は今、情報処理技術者試験の勉強を始めていますが、この本と出合ったことで、非常に楽しく、効率よく勉強できています。
だって、出題者の意図がわかるんですもの。
無駄に全部暗記する必要なんてないので、苦にもなりません。
知らないことを知るという純粋な欲に従って、勉強に取り組むことができます。
わくわくが押し寄せてきます。
皆さんもぜひ、騙されたと思ってこの「賢さをつくる」を読んでみてください。